天気予報で“高気圧に覆われて晴れ”や“低気圧の影響により雨”などといった言葉をよく耳にします。
高気圧や低気圧とはどのようなものなのでしょうか?
意外と知っている人はいません。
ここでは、高気圧・低気圧とはどのようなもので、その違いについてご紹介します。
高気圧とは
高気圧とは、周りに比べて気圧の高いところを言います。何hPa以上なら高気圧というような基準はありません。
高気圧の中心部では、上空から地上への下降気流が発生しています。
時計回りに風が吹き出し、地表付近では空気が拡散します。
このため、高気圧に覆われている場所では雲ができにくく、晴れることが多いです。
高気圧には、寒冷高気圧と温暖高気圧があります。
それぞれについて解説します。
まず、寒冷高気圧についてです。
上空は低気圧で、地上付近のみ高気圧があります。
そのため、背の低い高気圧と呼ばれることもあります。
冷えた地上に冷たい空気が溜まることで発生します。
次に、温暖高気圧についてです。
上空まで高気圧です。
そのため、背の高い高気圧と呼ばれることもあります。
上空の空気が地上に下降することで発生します。
日本の近くで見られる高気圧には、次のものがあります。
- 太平洋高気圧(夏)
- オホーツク海高気圧(梅雨・夏)
- シベリア高気圧(冬)
- 移動性高気圧(春・秋)
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低気圧とは
低気圧とは、周りに比べて気圧の低いところを言います。何hPa以下なら低気圧というような基準はありません。
低気圧の中心部では、地上から上空への上昇気流が発生しています。
反時計回りに風が中心に向かって吹き込み、地表付近では空気が収束します。
このため、低気圧に覆われている場所では雲が発生しやすく、雨が降りやすいです。
低気圧には、温帯低気圧・熱帯低気圧・寒冷低気圧があります。
それぞれについて解説します。
まず、温帯低気圧についてです。
温帯低気圧は、中緯度で発生する低気圧です。
暖かい空気と冷たい空気で構成されています。
温暖前線や寒冷前線などの前線を伴うことが一般的です。
次は、熱帯低気圧についてです。
熱帯低気圧は、熱帯の海洋上で発生する低気圧です。
陸上では発生しません。
26度以上の暖かい海水が蒸発し、上昇気流が生じます。
これにより発生した積乱雲が発達すると、熱帯低気圧となります。
そして、最大風速が17.2m/s以上になると台風へと変化します。
ちなみに、熱帯低気圧は温帯低気圧のように前線を伴うことはありません。
最後に、寒冷低気圧についてです。
周りより温度の低い寒気で構成された低気圧です。
寒冷渦や偏西風から切り離されてできます。
夏には雷、冬には日本海側に大雪をもたらすことがあります。