津波は、何もかもを飲み込んでしまう恐ろしいものです。
津波は、どのようにして発生するのでしょうか?
地震と深く関係していることはイメージできます。
ここでは、津波の仕組みや発生条件・警報の種類などについてご紹介します。
津波の仕組み・メカニズムとは
津波はどうして起こるのでしょうか?津波が起こる仕組み・メカニズムについてみていきます。
海底で大きな地震が起こると、断層運動よって海底が隆起あるいは沈降します。
これによって、海面が大きく変動し、大きな波が生じます。
これが津波です。
(出典:気象庁ホームページより)
津波は大きな地震が起こった場合に発生することが多いです。
しかし、絶対にそうとは言えません。
1896年に起こった明治三陸津波は、震度2~3ほどの小さな地震であったにも関わらず津波が発生しました。
このような例外があるだけに、勝手な思い込みは危険です。
津波は地震が原因で発生することが多いです。
しかし、地震以外の理由で発生することもあります。
主な理由としては次のとおりです。
- 火山の噴火
- 沿岸部での山崩れ
- 海底の地すべり
津波の発生条件
海底で地震が発生しても、津波が発生する場合とそうでない場合があります。その理由の1つは、震源の深さです。
震源とは、地震波が最初に発生したところです。
震源が深いと津波が発生しないことが多いです。
もう1つの理由は、プレートのズレによって地震が発生することです。
プレートの跳ね返りであれば、海水が持ち上げられるので津波になりやすいです。
そのため、プレート境界型地震は津波を伴うことが多いです。
しかし、プレートがズレただけでは津波は発生しません。
2021年2月13日に発生した福島県沖地震は、太平洋プレート内で縦にズレたことで起こった地震です。
そのため、津波が発生しなかったのです。
では、東日本大震災の場合はどうだったのでしょうか?
東日本大震災の震源の深さは約24kmでした。
一方、福島県沖地震の深さは約55kmでした。
東日本大震災の方が震源が浅いです。
さらに、この時の地震は北米プレートが跳ね返ったことによるものでした。
結果として、東日本大震災では津波が発生しました。
このように、津波の有無は地震の起き方や震源の深さが関係します。
震源が浅かったり、プレートが跳ね返った場合は津波が発生するおそれが高くなります。
津波の速さと深さの関係!高さは?
津波の速さは、海の深さ(水深)によって異なります。水深が深いほど、津波の速度は速いです。
水深5000mの場所では、時速800Kmのジェット機並みの速さになります。
逆に、水深が浅いほど、津波の速度は遅い傾向にあります。
津波の速さの目安
- 水深500mの場所では時速250Kmの新幹線
- 水深100mの場所では時速110Kmのチーター
- 水深10mの場所では時速36Kmの自動車
津波は浅場ほど遅くなると言っても、人間が走って逃げられる速さではありません。
目の前に波が押し寄せてきてから逃げても遅いです。
そのため、津波警報が出されたらすぐに避難することが重要です。
では、津波の高さはどうなのでしょうか?
深い場所ほど津波は低く、浅い場所ほど高い傾向にあります。
それは、津波の高さと津波の速さが深く関係しているためです。
上でも解説したように、津波は深い場所ほど速く、浅い場所ほど遅くなります。
浅い場所に近づくにつれて、後方からやって来る波が前方の波に追いついてしまいます。
その結果、波が大きくなり、高くなるのです。
また、地形によって津波の高さが変わることがあります。
特に、岬の先端やV字型になった湾の奥などは注意が必要です。
これらの場所では、波が集中するので津波が高くなる傾向にあります。
津波が発生すれば、高台に逃げるなどできる限り早く避難する必要があります。
そのためにも、事前に地形について把握しておかなければなりません
津波警報の種類
地震が起これば、気象庁は地震の規模や場所などから予想される津波の高さを計算します。地震発生後約3分で、津波警報などを発表します。
ただし、マグニチュード8超えのようなな巨大地震の場合は、その場所における最大の津波想定などをもとに津波警報などが出されることになっています。
これは、地震の規模をすぐに求めることができないためです。
では、津波警報にはどのような種類があるのでしょうか?
一般的に呼ばれる津波の警報には、大津波警報・津波警報・津波注意報の3つがあります
(出典:気象庁ホームページより)
大津波警報が出されれば、3mを超える波がやってくる可能性が大きいということです。
沿岸部などにいる場合は、すぐに避難しなければほぼ助かりません。
津波警報でも、最大で3mの波がくる可能性があります。
警報が出れば、避難しなければなりません。
津波注意報でも安心はできません。
予想以上に大きな波がくる可能性がゼロではないためです。
気象庁から津波に関する警報や注意報が出れば、迅速かつ的確に動かなければなりません。
必要があると感じれば、まず避難することが命を守る上で重要です。