夏のイメージが強い台風。
台風はどのようにして発生するのでしょうか?
ここでは、台風の仕組みやメカニズムなどについてご紹介します。
台風が発生する仕組み・メカニズム
夏から秋にかけて、台風は赤道近くの暖かい海で発生します。暖かい海は水温が高いので、雲のもとになる水蒸気ができやすいです。
水温が上がると、海上で上昇気流が発生します。
この強い風が中心に向かって反時計回りで渦を巻きながら、水蒸気を上空に舞い上がらせます。
これにより、積乱雲が発生し、この積乱雲がどんどん発達して熱帯低気圧となります。
そして、雲の周りの風の強さ(最大風速)が17.2m/s以上になると、台風と呼ばれるようになります。
台風の中心は、台風の目と呼ばれます。
台風の目は、雲がなく、風も吹いていません。
そのため、雨風が一時的に弱まります。
しかし、しばらくすると、再度雨風が強くなります。
スポンサーリンク
台風が弱まる理由
台風になるまでの時期のことを発生期と言います。発生した台風は、さらに海からの水蒸気でどんどん発達していきます。
台風が成長し続けている時期のことを発達期と呼びます。
その後も、台風は北上を続けます。
もっとも成長した時期のことを最盛期と言います。
では、どうして台風は弱まるのでしょうか?
上陸した場合とそうでない場合でみていきます。
台風が上陸した場合
台風が弱まる理由は2つあります。水蒸気の供給と地表の抵抗です。
簡単に説明すると、次のようになります。
1つは、上陸したことで水蒸気の供給ができなくなることです。
台風の勢力を維持するためには、水蒸気は必須です。
その水蒸気が供給できないのですから、弱まるのも当然です。
もう1つは地表の抵抗です。
海上には何もないので、風は自由に吹くことができます。
しかし、上陸すると、山や木などいろいろなものに当たって風が弱まります。
台風が上陸しない場合
上陸しないので、台風は海上で水蒸気を供給し続けることができます。それなら、台風はずっと成長し続ける、あるいは勢力を維持し続けるということになります。
しかし、それはさすがにないということはわかります。
台風は上陸しなくても、衰えて、いずれは消滅してしまうためです。
台風が弱まる理由は、北に進めば進むほど海水の温度が低くなるためです。
台風が発達する温度は26度以上です。
つまり、26度未満になると台風は弱まるのです。
最近は、温暖化の影響で海水の温度が高いです。
そのため、以前よりも大きな台風が日本へやって来ます。
台風が来る時期が変わりつつあるのも、このためです。
ハリケーンとは?サイクロンとは?
ハリケーン・サイクロン・台風とで共通しているのは、すべて熱帯低気圧ということです。主な違いは、それぞれが発生した地域です。
台風は、東経180度より西の北太平洋や南シナ海で発生した熱帯低気圧で、最大風速が17.2m/s以上のものです。
ハリケーンは、東経180度より東の太平洋や大西洋で発生した熱帯低気圧で、最大風速が32.7m/s以上のものです。
サイクロンは、東経180度より西のインド洋・南西太平洋で発生した熱帯低気圧で、最大風速が32.7m/s以上のものです。
(赤線:東経180度)
最大風速の国際基準は32.7m/s以上となっています。
17.2m/s以上というのは、日本独自の基準です。