大規模な災害が発生した場合、外出していると自宅に帰れない場合があります。
そのような場合、どうすればよいのでしょうか?
事前にそのようなことを想定して備えておかなければなりません。
ここでは、帰宅困難者対策や災害時帰宅支援ステーション・一時滞在施設とはどのようなものなのかなどについてご紹介します。
帰宅困難者とは
帰宅困難者とは、災害の発生に伴う交通機関の運行停止・規制などによって自宅に帰るのが難しい人のことです。東日本大震災時には、交通網がマヒして多くの人が何時間も歩いて帰宅しました。
中には、帰宅できない人もいました。
そのため、街は帰宅困難者で溢れました。
この時の帰宅困難者は、首都圏で合計515万人であったと言われています。
ちなみに、首都直下型地震が発生して交通機能が停止すれば、517万人の帰宅困難者が発生すると予想されています。
このように大規模な災害が起こると、帰宅困難者がたくさん発生します。
今後、災害発生時に帰宅困難者をどうすべきかが課題となっています。
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帰宅困難者は適切な判断が求められる
災害発生時、自宅までが遠い場合は無理に帰宅しようとしない方がよいです。遠距離の帰宅は、二次災害を引き起こすおそれがあって危険です。
勤務先などに留まった方がよいこともあります。
帰宅できないと判断した場合は、NTTの災害伝言や携帯電話の災害伝言板などを利用して、家族との間で安否確認を行っておくとよいです
普段から、家族で非常時の連絡の取り方などについて話し合っておくようにします。
帰宅すると判断した場合についてです。
歩く時は、なるべく道の真ん中がおすすめです。
端を歩いていると、建物から物が落下してくることがあるので危険です。
窓ガラスは時速40~60kmで落ちてきます。
高さの1.5倍程度の範囲に飛散します。
看板などが落下してくることもあります。
非常に危険です。
帰る途中に、災害時帰宅支援ステーション(下に解説あり)があることがあります。
ここでは、水道水・トイレ・道路情報などの支援サービスが受けられます。
うまく活用するとよいです。
夜は、停電していると真っ暗です。
足下が見えにくいので非常に危険です。
暗くなる前に帰宅できない場合は、一時滞在施設(下に解説あり)の利用を検討するとよいでしょう。
あるいは、はじめから帰宅しないという判断をした方がよいかもしれません。
帰宅困難者が自分できる対策
帰る際は、災害時帰宅支援ステーションや一時滞在施設を利用するとよいというお話をさせていただきました。ただ、こういった場所を利用しようと思っても、どこにあるのかを知らなければ利用しようがありません。
そのため、災害に備えて、普段から勤務先や学校などから自宅までの帰宅地図を作っておく必要があります。
その際、災害時に役立つ施設の場所を把握しておきます。
コンビニは災害時帰宅支援ステーションになっています。
他にも、ファストフードやファミリーレストラン、居酒屋、カラオケ、ガソリンスタンドなども該当します。
ただし、すべての店が当てはまるわけでなく、災害時帰宅支援ステーションのステッカーが貼られた店だけです。
一時滞在施設についても同様です。
非常に便利なので、万が一の場合は訪れるとよいです。
帰宅地図においては最短ルートだけではなく、万が一に備えていくつかのルートを考えておきます。
最短ルートが災害の状況や規制などで通れないことがあります。
場合によっては、多くの人が詰めかけて大きな混乱が発生するおそれもあります。
何が起こっても、いつくつかルートを考えておけば安心です。
どのルートから帰ってもよいように、ルートごとに災害時帰宅支援ステーションや一時滞在施設の位置をチェックしておきます。
災害時帰宅支援ステーションとは
災害時帰宅支援ステーションとは、徒歩による帰宅者を支援するための場所です。行政がコンビニやファミレス、ガソリンスタンドなどと協定を結んでいます。
2020年5月時点で、首都圏だけでも2万8000カ所以上あります。
災害時帰宅支援ステーションに行けば、トイレや水道水、災害・道路などの情報を無料で提供してもらえます。
もちろん、首都圏だけでなく、日本全国で災害時帰宅支援ステーションが増えています。
行政と企業が災害時における帰宅困難者支援に関する協定の締結を積極的に進めています。
一時滞在施設とは
一時滞在施設とは、災害による帰宅困難者が待機できる場所を提供することを目的とした施設のことです。この施設は、外出時に災害に遭ってしまった場合や徒歩による帰宅者が日没などの理由で帰れなくなった場合などに、帰宅が可能になるまでの待機場所です。
あくまで一時的に休憩や滞在するのが目的です。
3日間程度の滞在が想定されています。
そのため、長期間滞在することはできません。
施設に行けば、水、トイレ、災害・道路などの情報だけでなく、食料や毛布(ブランケット)の提供を受けることができます。
災害時帰宅支援ステーションとよく似ていますが、一時滞在施設は滞在できる点が大きく異なります。
そのため、一時滞在施設は学校などある程度の広さのある施設が指定されています。