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「スーパーで見つけた『ちぢみほうれん草』。でも、アク抜きはどうすれば…?特に小さなお子さんにあげるなら、迷いますよね。」
ご安心ください。ちぢみほうれん草は、基本的にアク抜き不要です。
この記事では、「なぜアク抜き不要で安全なのか」という科学的な理由から、栄養と甘みを最大限に引き出す生産者直伝の調理法まで、あなたの不安を「なるほど!」という納得に変えます。
読み終える頃には、自信を持って、今夜の食卓に美味しい一品を加えられるようになります。
ちぢみほうれん草は「アク抜き不要」で安全です!
「ちぢみほうれん草は本当にアク抜きしなくて大丈夫ですか?」という声をよく耳にします。ほうれん草のアクの主成分である「シュウ酸」の摂りすぎが、体に良くないという話を聞いたことがあると、心配になるお気持ちは当然です。
シュウ酸の過剰摂取が健康リスクに繋がる可能性があるのは事実ですが、ちぢみほうれん草に通常含まれる量や、一般的なご家庭で一度に食べる量では、お子さんにとっても大人にとっても全く心配いりません。
むしろ、後ほど詳しく解説しますが、アク抜きのために茹でてしまうことのデメリットの方が大きいのです。まずは「安全である」という点を、どうぞご安心ください。
なぜ?普通のほうれん草との違いは「寒締め栽培」という秘密
では、なぜちぢみほうれん草はアク抜きが不要なのでしょうか。その答えは、ちぢみほうれん草が育つ「寒締め(かんじめ)栽培」という特別な栽培方法にあります。
ちぢみほうれん草は、冬の厳しい寒さにあえてさらすことで、自身が凍ってしまわないように細胞内に糖分を蓄えます。この生命の仕組みが、ちぢみほうれん草の驚くほどの甘さの源です。
そして重要なのが、この寒締め栽培のプロセスが、ほうれん草の甘みを増すだけでなく、アクの原因であるシュウ酸の量を増やさないように作用する点です。農研機構の研究でも、寒締め栽培によってほうれん草の糖度やビタミンは増加する一方、シュウ酸の量は特に増えないことが確認されています。
つまり、ちぢみほうれん草は、普通のほうれん草と比較してシュウ酸の含有量が少ないため、アク抜きをしなくてもえぐみが少なく、安全に美味しく食べられるのです。
| ちぢみほうれん草 | 普通のほうれん草 | |
|---|---|---|
| 糖度 | 8度以上 |
5度前後 |
| シュウ酸 | 少なめ |
多め |
※糖度は個体差があります。
栄養と甘みを逃さない!たった1つの調理のコツと簡単レシピ
ちぢみほうれん草の安全性が分かったところで、次はその栄養と甘みを最大限に活かす調理法を見ていきましょう。
ちぢみほうれん草は、絶対に茹でこぼしてはいけません。
なぜなら、この点は多くの人が良かれと思ってやってしまう、最ももったいない失敗だからです。ちぢみほうれん草の豊富なビタミンCや甘み成分は水に溶けやすいため、アク抜きのために茹でるという行為は、ちぢみほうれん草の長所を自ら捨ててしまう行為に他なりません。
カゴメ株式会社の実験データによれば、ほうれん草を3分間茹でると、ビタミンCの約52%が失われてしまいます。
ちぢみほうれん草の栄養を逃さないための最適な調理法は、水に栄養が溶け出さない「炒め物」や「スープ」です。そして、下処理は根元に残りやすい土をしっかり洗い流すだけで十分です。
| 調理法 | 甘みの活かしやすさ | ビタミンC残存率 | 手軽さ |
|---|---|---|---|
| 炒める | ◎(甘みが凝縮) | ◯(油でコーティング) | ◎(洗ってすぐ使える) |
| スープ | ◎(旨味が溶け出す) | △(汁ごと摂れる) | ◯(切って入れるだけ) |
| 茹でる | ×(甘みが流出) | ×(水に溶け出す) | △(湯を沸かす手間) |
【簡単レシピ】豚バラとちぢみほうれん草の旨塩炒め
- ちぢみほうれん草は根元を重点的に洗い、5cm幅に切ります。
- フライパンにごま油を熱し、豚バラ肉を炒めます。
- 肉の色が変わったら、ちぢみほうれん草の茎、葉の順に加えてさっと炒め合わせます。
- 鶏がらスープの素、塩、こしょうで味を調えたら完成です。
ちぢみほうれん草に関するQ&A
最後に、よくいただく質問にお答えします。
Q1:どうしてもアクが気になる場合は?
A1: もし、えぐみに敏感で気になる場合は、牛乳やチーズ、ちりめんじゃこなどのカルシウムが豊富な食材と一緒に調理するのがおすすめです。カルシウムがシュウ酸の体内への吸収を穏やかにしてくれます。
Q2:おすすめの洗い方は?
A2: 根元に土がたまりやすいので、ボウルに水を張り、根元を水に浸して振り洗いするのがおすすめです。葉が肉厚でしっかりしているので、多少しっかり洗っても大丈夫ですよ。
Q3:保存方法は?
A3: 湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると長持ちします。甘みが強いので、なるべく早めに食べ切るのが一番です。
まとめ
この記事では、ちぢみほうれん草のアク抜きについて解説しました。大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- アク抜き不要で安全: 寒締め栽培により、シュウ酸が少ないためアク抜きは不要です。
- 茹でない方が栄養も甘みもUP: 栄養と甘みを逃さないため、炒め物やスープが最適です。
- 根元をしっかり洗うだけでOK: 調理前の下処理は、土を洗い流すだけで十分です。
もう、スーパーでちぢみほうれん草を見かけても迷うことはありません。旬の美味しさと栄養を、自信を持ってご家族の食卓へ届けてあげてくださいね。
さっそく今夜、ご紹介した「旨塩炒め」に挑戦してみませんか?

